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医用工学による医療の簡略化

1.はじめに

 私は以前総合病院に入院したことがある。 そこでは検査や治療待ちをする人で溢れかえっていて医師や看護師 などの医療従事者はせわしなく働いていた。 医師の人手不足が深刻であることはニュースなどで聞いたことがあ ったが、実際に入院して患者に対するの医師の少なさを実感した。 そこで、 どうにかして治療や診察の精密さと安全性を損なわずに医師の人手 不足を解消できないかと考えた。


2.高まる医療の需要

 日本を筆頭として多くの先進国で問題となっている少子高齢化では 、 全体の人口に対する医療を必要とする高齢者の割合が増加している ため医療の需要も増加しており、 医師の人手不足が深刻化している。また、 アフリカなどの発展途上国では人口爆発が起こっているため人口の 急増に伴い医療の需要も増加しており、 自国での医療体制では対処しきれなくなり海外からの医療支援を求 めることも珍しくない。また、 人口爆発が起こった後にはいずれ高齢化社会がくるため、 高齢化に伴う医療の需要の増加に対応しなければいけない。 さらに、 経済発達が未だ進んでいない国では先進国では当たり前のようにお こなわれているような医療も十分におこなえていないため乳児や幼 児の死亡率がとても高くなってしまっており、 このような国への医療支援もおこなう必要があると考える。 これらの要因からこれからの世界では今まで以上に医療の需要が高 まるであろうと考えられる。


3.日本の医療現場の現状と改善策

 日本では医療技術の進歩に伴い高齢化が進んでおり、 医療を必要とする人口が増加している。 医師の人数も年々少しずつ増加しているが、 高齢者の人口増加率と比べるとそこまで大きく増加はしていない。 そのため、医師一人に対する患者の人数も年々増加し、 医師の負担が増加している。このことから、 これからの日本では今まで以上に医師の人手不足が深刻化し、 過労なども問題となるだろう。

 これらの問題の改善策として私は医療用機械の改良をしていくべき であると考える。たしかに、 医師の人数を今まで以上に増加させていけば医師一人に対する患者 の人数が減少し、 医師の人手不足は解消され過労の心配もなくなるかもしれない。 しかし、 そうするためには医師国家試験の合格基準を下げて医師免許を習得 しやすくする必要がある。そのため、 全体として医師の質が下がり、 検査や治療の精密さや安全性が損なわれてしまう危険性がある。 そこで、 医師をただ増やすのではなく診察や治療にかかる時間を短縮して回 転率を上げ、 一人の医師がより多くの患者に対して診察や治療ができるようにす れば良いと考えた。しかし、そうすると医師の労働が増加し、 過労の問題に拍車をかけるだけである。そこで、 医療用機械の改良をし、 操作の簡略化をおこない時間を短縮するためだけではなく、 医師のみが使える機械を医師以外の看護師などが操作できるように 操作を簡単にしてつくり仕事を割り振ることで医師にのみ仕事が集 中することを避けることができると考える。


4.AIによる治療

 医師の人手不足を補うために最近注目され始めているのはAIによ る治療だ。 AIの発達に伴いさまざまな場所でAIを活用しようとする働きが 行われている。たとえば工場や施設の受付などで、 もちろん医療に関しても同じようなことが試されており、 患者を診察した画像データからどのような病気の可能性があるのか をリストアップしたりとすでに医師などの手助けとして使われてい るところはある。しかし、 AIのみによる治療は医療現場では未だに行われたことがない。 その理由として臨床試験が不十分なことや万が一失敗したときの責 任問題などがある。 仮にこれらの問題をクリアしたとしても患者側の了承を得なくては ならないこともあるためとても大変である。しかし、 AIによる治療には人為的ミスをなくすことや医師の負担減少など のメリットも数多くある。 命に関わる医療現場においても人が行うとミスをする可能性などが あるが、 AIを搭載した機械が行えばそのようなミスは起こらなくなり、 担当医師の人数も減らせるため医師の人手不足も改善される。

 私が実際に治療を受けたときは、 初めてということもありとても怖く不安であった。しかし、 医師や看護師などの医療従事者がコミュニケーションをとってくれ たおかげで気持ちがかなり楽になり、不安も少し和らいだ。 このときもし、 医師や看護師などの医療従事者ではなくAIによって治療されてい たら、恐怖に支配された状態で治療を受け、 成功失敗に関係なくトラウマといて残っていたと思う。 このことから、 AIによる治療は医師からしたらたしかに便利ではあるが、 患者からしたらトラウマになり得るほど恐ろしいものであると考え る。そのうえ、治療には命が関わることが少なくないため、 AIによる治療に任せるのではなく、 人が責任を持って行うべきであると考える。

 今回のコロナウイルスのような感染症の場合は医師が治療を行うよ りもAIが治療を行ったほうが感染リスクを低下させることができ 、感染拡大を抑えることができると考える人も多いと思う。 私はこれに関して賛成派である。たしかに、 コロナウイルスを治療する方法を医師が治療する場合は医師が治療 法を覚えればよいが、 AIによる治療を行う場合はプログラミングをし、 臨床試験を行い、国からの許可が必要なうえ、 機械を作るまでにも時間がかかるため、 使用可能になるまでにものすごい時間がかかってしまう。 そのうえ、 もし機械で行うと患者が医師とコミュニケーションをとれなくなり 、不安でいっぱいになってしまう。しかし、 医師が治療を行う場合には医師への感染リスクがあり、 患者は治療の際はコミュニケーションがとれて安心するかもしれな いが、 もしその後医師に感染していたことを知ったら自責の念を抱くだろ う。 感染させてしまった医師が死んでしまったらさらなる後悔をして、 一生の心残りになるうえに、 死んでしまった医師が担当していた患者を他の医師で分担する必要 が出てくる。これらのことを考えると、 感染症の場合は時間や患者のメンタルよりも医師の命を大切にする ほうが良いと考える。

 


5.機械の改良

 機械の改良として特に重要なのは操作を簡単にすることとかかる時 間を短縮することの二つである。 この二つがうまくいくと機械の操作を特定の人がする必要がなくな るため誰か一人に仕事が集中することを避けれるうえに、 時間を短縮できると回転率が上がりその分だけより多くの患者に対 して相手をすることができる。そのため、 これからの医療需要の増加に対応できるようになると考える。 ただし、安全性や精密さは損なわれてはいけない。 もしこれら二つが損なわれてしまうと機械が完成しても実用化がで きなくなってしまうからである。また、 機械の小型化ができると更に医療の幅が広がると考える。 外出が困難な人などのために在宅医療が可能になったり小さな病院 にも設置することができるようになったりととても便利である。 また、 操作が簡単になり小型化ができると先進国への輸出の際にとても便 利であるうえ、 操作が簡単なため先進国でも多くの人が使うことができるようにな る。

 機械の操作を簡単にすることやかかる時間を短縮すること、 機械の小型化の実際の例として心電図を図るときに使うパッドや計 測機器などの機械を小型化し、 ホルター心電図として患者の体に貼り付けて心電図を二四時間計測 していろいろな状況における心電図の変化をみることができる機械 があり、私が考える具体的な案として、 AIによるサポートでエコーの際に臓器を自動追尾してくれるよう にして手動で臓器を追う操作をなくして操作を簡単にすることであ る。私は実際にエコーを体験したことがあるが、 機械を当てるところに潤滑油のようなものを塗られておこなわれた 。探していた臓器を見つけたのは早かったが、 人が息をしたり少し体を動かしてしまうだけで臓器の位置が少しず れて見失ってしまうため、私のときも何度も見失っては見つけて、 見つけたと思ったら見失っての繰り返しであった。 エコーは妊娠した際や、 治療をおこなう前など多くの場面で使う機会があるため、 この機械を改良し手動ではなくAIで臓器を追うことができれば、 臓器を見つけた後に息を止める必要や止まっている必要がなくなり 、臓器を見失う確率も低下するだろうと考える。 臓器を見失いにくくなるとその分だけ診察が早く終わり、 結果として検査にかかる時間が短縮されてより多くの患者を診察す ることができるようになる。


6.まとめ

 開発までに莫大な費用と時間がかかるうえにとても難しい機械の改 良であるが、 今後の高齢化や人口爆発による医療需要の増加に伴って挑戦する必 要が生まれると考えるため、 早いうちから取り組むことによっていち早く医療需要の増加に対応 できるようになると考える。また、 コロナウイルスのような感染症の治療に関してだけは命に関わる場 合でも医師の安全や人手不足解消のため、 感染拡大を防ぐためにも機械で行うべきであると考えるが、 それ以外の場合では医師の負担が増えてでも患者とのコミュニケー ションで安心を与えるために機械ではなく人が治療を行うべきであ ると考える。しかし、 治療などでも医師のサポートとしてAIを用いるのは良いことだと 考える。 もし機械の改良などの手をうたないと医療需要の増加に対応ができ なくなり、 生かすべき命と見捨てるべき命の選別をしなければいけなくなる。